歯科矯正とは?治療方法や期間・歯並びが悪くなる原因を解説
歯並びについて気になり始めるきっかけは、人によって異なります。写真を見たときの口元が気になる場合もあれば、食事の際に噛みにくさを感じたり、歯磨きがしづらいと感じたりすることもあります。矯正は見た目を整える治療という印象をもつ方も多いですが、噛み合わせや歯の磨きやすさにも関係しています。
治療の進め方は、歯並びの状態だけで決まるものではありません。顎の形や歯の位置、年齢、歯ぐきの状態、生活習慣なども確認しながら計画を立てます。治療にはある程度の期間が必要になるため、費用や通院頻度、治療後の管理まで含めて内容を理解しておくことが大切です。
矯正治療とは
矯正治療とは、歯に少しずつ力を加えて位置を動かし、歯並びや噛み合わせを整える治療です。歯が重なっている、前歯が前方へ出ている、上下の歯がうまく噛み合わないといった状態は「不正咬合」と呼ばれます。
歯並びを整えることで、歯ブラシが届きやすくなり、毎日のセルフケアを行いやすくなる場合があります。また、噛み合わせを整えることで、一部の歯に負担が集中している状態の改善につながることもあります。ただし、矯正後もむし歯や歯周病を防ぐための継続的なケアは必要です。
歯並びや噛み合わせが乱れる原因
歯並びが乱れる主な原因の1つが、顎の大きさと歯の大きさのバランスです。歯が並ぶスペースに対して歯が大きいと、歯が重なったり、歯列から外れて生えたりすることがあります。また、上下の顎の成長や骨格、歯の大きさなど、遺伝的な要因が影響することもあります。
一方で、成長する過程での癖や習慣が影響することもあります。長く続く指しゃぶりや、舌で前歯を押す癖、口呼吸、頬づえなどは、歯並びや顎の成長に関係する場合があります。また、乳歯を早い時期に失うと、周囲の歯が移動し、永久歯が生える場所が狭くなることがあります。矯正では、今の歯並びだけでなく、乱れた原因まで確認することが重要です。
矯正が検討される代表的な歯並び
矯正の対象となる歯並びにはいくつかの種類があります。歯が重なってデコボコに並ぶ状態は「叢生」、上の前歯が前方へ出ている状態は「上顎前突」、下の歯が上の歯より前に出る状態は「反対咬合」と呼ばれます。奥歯を噛み合わせても前歯が閉じない「開咬」も不正咬合の1つです。
同じ不正咬合でも原因は異なります。たとえば叢生では顎のスペース不足、開咬では舌の癖などが関係する場合があります。反対咬合も歯の傾きによるものから骨格が関係するものまでさまざまです。そのため、見た目だけで判断せず、検査によって原因を確認する必要があります。
矯正治療にはどのような方法がある?
成人の矯正で広く用いられているのが、歯にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を動かすワイヤー矯正です。幅広い歯並びに対応しやすい方法ですが、装置の周囲に汚れが残りやすいため、丁寧な歯磨きが必要です。歯を並べるスペースが不足している場合には、抜歯を検討することもあります。
透明なマウスピース型の装置を交換しながら歯を動かす方法もあります。取り外しができる点が特徴ですが、決められた装着時間を守る必要があります。また、歯並びによっては適さないこともあるため、見た目や使いやすさだけではなく、適応できる歯並びや治療期間を確認して選択することが大切です。
大人の矯正と子どもの矯正の違い
成人になってからでも、歯や歯周組織の状態を確認したうえで矯正を検討することができます。大人の矯正では顎の成長がほぼ完了しているため、現在の歯や骨格の状態をもとに治療計画を立てます。むし歯や歯周病がある場合は、矯正を始める前に治療が必要になることもあります。
子どもの矯正では、歯の生え替わりや顎の成長を見ながら治療の時期を考えます。永久歯が生え始める時期に歯並びや噛み合わせを確認することで、治療が必要か判断しやすくなります。ただし、治療を始める適切な時期は歯並びや成長状態によって異なるため、早めに状態を確認しておくことが大切です。
矯正治療の流れと治療期間
矯正治療では、まず歯並びや噛み合わせの悩みを確認し、その後に口腔内診査やレントゲン撮影、歯型の採取、写真撮影などを行います。検査結果をもとに、使用する装置や抜歯の必要性、治療期間、費用などを説明し、治療計画を決めていきます。
成人の全体矯正では、治療に1年半から3年程度かかるケースがありますが、歯の移動量や治療方法によって異なります。小児矯正では顎の成長を観察する期間が含まれることもあります。予定通りに通院することや、装置を適切に使用することも治療期間に影響します。
矯正治療の注意点と治療後の保定
矯正中は、装置を調整した後に歯の痛みや違和感が出ることがあります。また、固定式の装置では歯磨きが難しくなり、清掃が不十分になるとむし歯や歯肉炎のリスクが高まります。歯根吸収や歯肉退縮などが起こる可能性もあるため、定期的に歯や歯ぐきの状態を確認することが必要です。
歯を動かす治療が終了しても、矯正治療が完全に終わるわけではありません。移動した歯は元の位置へ戻ろうとするため、リテーナーと呼ばれる保定装置を使用して歯並びを安定させます。保定期間中も定期的な診察やメンテナンスを受け、整えた歯並びと口腔環境を継続して管理していくことが大切です。